こんにちは!
ひめたろ🐶です。
今回は、
一過性脳虚血発作(TIA:Transient Ischemic Attack)について解説します!
脳神経病棟では、
一過性脳虚血発作(TIA)で救急搬送される患者さんがいます。

さっきまで手が動かなかったし、
ろれつも回らなかったんだよ。
でも今はもう治ったんだ。
TIAは数分から1時間で症状が治まるので、
患者さん自身もあまり重要視しない方が多いです。

・TIAって脳梗塞と何が違うの?
・症状が治ったなら安心していいんじゃない?
・何を観察すればいいの?
このように悩むことはありませんか?
実はTIAは、脳梗塞の前触れであることがあります。
症状が消えたからと安心せず、
迅速に観察・報告することが重要です。
この記事では、新人看護師向けにTIAの特徴や観察ポイント、治療まで
分かりやすく解説します!
目次
そもそも一過性脳虚血発作(TIA)とは?

そもそもTIAって何?
一過性脳虚血発作(TIA)とは?
⋯脳への血流が「一時的に」悪くなり、
神経症状が現れる病気のこと
血流が回復すると症状は改善しますが、
「何事もなかった」というわけではありません。
TIAは脳梗塞が起こる前の重要な警告サインであり、
適切な治療を行うことで脳梗塞を予防できる可能性があります。
TIAの特徴
TIAの特徴は以下の通りです。
・数分〜1時間以内に症状が改善することが多い
・MRIで脳梗塞が認められないことが多い
・症状が完全に消えていても受診が必要

のちのちに脳梗塞のリスクが有る病気なのに、
症状が数分で消えるのは厄介だな⋯

症状が消えるからこそ、
症状が出現したときは
注意していかないといけないよ!
TIAと脳梗塞の違い
ここでTIAと脳梗塞の違いを見ていきましょう!
| TIA | 脳梗塞 |
|---|---|
| 血流が一時的に回復する | 血流が途絶えたままになる |
| 症状が改善する | 症状が残ることが多い |
| 後遺症がないことが多い | 後遺症が残ることがある |
| 脳梗塞の警告サイン | 脳細胞が障害される |
つまり、TIA後に発症する可能性がある脳梗塞では、
脳血流が途絶えたままになると
脳細胞の障害になり、
後遺症が残るといった重大な障害が起こる可能性が高いです。
そのためTIAになったら
そこで脳梗塞になるリスクを食い止める必要があります。
【症状が治れば大丈夫?】TIAで現れる症状
症状自体は脳梗塞とほぼ同じです。
よくある症状
・片側の手足の脱力
・顔のゆがみ
・ろれつが回らない
・言葉が出ない
・片目が見えなくなる
・ふらつき
・感覚障害
⇒顔や手足に「ビリビリする」「ジンジンする」といったしびれ。
触られている感覚や痛み、熱さ・冷たさが分かりにくくなる。
例えば、

歯磨きをしていたら急に手の力が入らなくなって
歯ブラシを落としてしまった。
5分くらいで戻ったよ。
このような短時間の症状でも、
TIAの可能性があります。
なぜTIAを見逃してはいけないの?
ここが一番重要です。
ここまでで何度も話していますが、
TIAは脳梗塞が起こる前の警告サインです。
特に発症後早い時期ほど脳梗塞を発症する危険性が高いため、
症状が改善していても迅速な評価が必要です。
新人看護師が意識したいこと
仮に患者さんが

さっきまで力が入りにくかったけど、
もう治ったから大丈夫だよね?
と言っても、
重要なのは
「症状が一度でも出現した」という事実
です。
TIAを発症した症状を医師へ正確に伝えることが大切です。
看護師が確認するべき観察ポイント

じゃあ、実際TIAの症状が出てきたら
どこを観察すればいいの?
TIAの症状が出てきたら
以下の4つの観察項目を見ていきましょう!
① 発症時刻(最重要)
発症時刻は必ず確認します。
・最後に正常だった時刻
・症状が始まった時刻
・症状が改善した時刻
・症状は何分間続いたのか
この情報は治療方針にも関わるので、
正確に時間を測定しましょう!
② 神経症状の内容
神経症状も具体的に確認します。
・運動麻痺が出現したか(右?左?)
・顔はゆがんでいた?
・言葉は出ていた?
この症状出現を観察するときに
FASTを意識すると整理しやすくなります。

(FASTってなんだろう?)
FASTとは?
FASTは脳卒中を早く見つけるためのチェック方法です。
FASTはそれぞれ症状がでる部位の頭文字を表しています。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| Face(顔) | 顔のゆがみ |
| Arm(腕) | 腕の脱力 |
| Speech(発言) | ろれつ・失語 |
| Time(時間) | 発症時刻 |
③ バイタルサイン
TIAでは、
・高血圧
・心房細動
が原因となることもあります。
バイタルサインで特に確認する項目は、
・血圧
・脈拍(不整の有無)
・SpO₂(発作による低酸素血症の有無)
を見ていくことが重要です。
④ 神経症状の変化
症状が改善していても、
再び悪化する可能性があります。
TIAの症状が治まった後でも
継続して観察することは以下の通りです。
・JCSの変化
・瞳孔・対光反射
・運動麻痺の有無
・発言の様子
⇒言葉が出にくくなっていないか
・感覚障害の有無

TIAでは症状が出てきたときの観察はもちろん、
その後の症状出現の有無も大事なんだね!
TIAではどんな検査をする?

それにしてもTIAではどんな検査をするんだろう?
脳梗塞の所見は見られないこともあるしね
原因を調べるために、
以下の検査が行われます。
・MRI(DWI)
・MRA
・頸動脈エコー
・心電図(ホルター心電図)
・血液検査

DWI?MRA?なにそれ?
DWIはMRIの撮影方法の一つです。
それぞれの違いを以下の図で解説しているので、
ご覧ください!

これらの検査を行っていくと、
・心房細動
・頸動脈狭窄
が見つかることがあります。

原因が心房細動だったり、
頸動脈狭窄だったりわかると
その後の治療に大きく関わるから
これらの検査が重要なんだよ!
TIAはどんな治療をする?

脳梗塞ではエダラボンを使うよね?
TIAでも使うんじゃない?
実はTIAではエダラボンが中心ではありません。
TIAでの治療の目的は、
「今後の脳梗塞を予防すること」です。
そのため、以下のような主な3つの治療を行います。
①抗血小板薬
最も多く行われる治療です。
【TIAで行われる抗血小板薬治療】
・アスピリン(バイアスピリン)
・クロピドグレル
発症早期には、
短期間だけ2種類の抗血小板薬を併用(DAPT)
することもあります。
②心房細動が原因の場合
血栓が心臓から飛んできた可能性があるため、
DOACなどの抗凝固薬が開始されることがあります。

心房細動って血栓ができて脳梗塞になる可能性があるから、
心房細動があったら要注意なんだよ!
③頸動脈狭窄がある場合
狭窄が強い場合は、
・頸動脈内膜剥離術(CEA)
・頸動脈ステント留置術(CAS)
が検討されます。
また、血圧・血糖・脂質などの管理も重要になります。

なに?その手術?
CASについては過去に解説していますので
そちらを参考にしてください!
まとめ
今回は、一過性脳虚血発作(TIA)について解説しました!
一過性脳虚血発作(TIA)は、
数分〜数十分で症状が改善することが多いため、
患者さん自身も軽く考えてしまうことがあります。
しかし、TIAは脳梗塞の前触れとなる重要なサインです。
新人看護師は、
・発症時刻
・神経症状
・バイタルサイン
・症状の変化
を丁寧に確認し、
「もう治ったから大丈夫」と判断せず、
迅速な報告につなげることが大切です。
それではまた次回!


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