アテローム梗塞とは?症状・好発部位・原因・検査・治療・看護を丁寧に解説!

新人看護師向け

 こんにちは!

 ひめたろ🐶です。

 今回は「アテローム梗塞」について解説します!

 脳神経病棟では、

 アテローム梗塞で入院する患者さんを受け持つことがあります。

新人ちゃん
新人ちゃん

アテローム梗塞って何?

・どんな症状が出るの?

・看護では何を観察したらいいの?

 このように疑問に思う新人看護師さんもいるのではないでしょうか。

 アテローム梗塞は、

 動脈硬化によってできたプラークなどが関係して起こる脳梗塞です。

 今回はアテローム梗塞について、

 基本的なところから看護のポイントまで

 新人看護師向けに分かりやすく解説していきます!


アテローム梗塞とは?

 まず、アテローム梗塞とは何でしょうか?

アテローム梗塞とは?

動脈硬化によってできたプラーク(粥腫)が関係して、

 脳の血管が詰まることで起こる脳梗塞のこと

新人ちゃん
新人ちゃん

プラークってなに?

 

プラーク(粥腫)って何?

プラーク(粥腫)とは?

年齢や生活習慣などにより、

 動脈硬化が進行すると、

 血管の内側にコレステロールなどが溜まって形成されるもの

 

 このプラークが大きくなると、

 血管の内腔が狭くなります

 さらにさらに!

 プラークが破綻すると、

 その部分に血小板などが集まり

 血栓が形成されることがあります。

 その血栓によって脳の血管が詰まると、

 脳梗塞を発症します。

新人ちゃん
新人ちゃん

ややこしくなってきた⋯

 つまり、アテローム梗塞の仕組みを簡略化すると⋯

動脈硬化

プラーク形成

プラークの破綻

血栓形成

脳血管が詰まる

アテローム梗塞

 という流れです。


アテローム梗塞の好発部位

 アテローム梗塞では、

 比較的大きな血管が障害されることがあります。

 代表的な血管として、以下のような動脈があります。

内頸動脈

中大脳動脈

椎骨動脈

脳底動脈

 特に頸動脈では動脈硬化によるプラークが形成されることがあり、

 そこにできた血栓が脳血管を閉塞させることがあります。

 また、血管の狭窄が進行すると、

 血流そのものが低下して脳梗塞を起こすこともあります。

 

新人ちゃん
新人ちゃん

へえ⋯

つまり、

血栓が飛んで脳梗塞になるだけじゃないってことなんだ⋯

ひめたろ
ひめたろ

その通り!

アテローム梗塞では、

「血栓が飛んで血管を詰まらせる場合」

だけではなく、

「血管が狭くなって脳への血流が低下する場合」

があるってことを覚えておこう!

 

 またアテローム梗塞の前触れの発作として起こる

 一過性脳虚血発作(TIA)という疾患もあります。

 特に頸動脈などに動脈硬化があり、

 そこから血栓が飛ぶことでTIAを起こす場合があります。

新人ちゃん
新人ちゃん

一過性脳虚血発作?なにそれ?

 一過性脳虚血発作(TIA)について詳しく知りたい方は、

 過去投稿がありますので、そちらをご覧ください。

 ・一過性脳虚血発作(TIA)とは?


アテローム梗塞の原因

 アテローム梗塞の大きな原因は、動脈硬化です。

 動脈硬化を進行させる代表的な危険因子には、

・高血圧

・糖尿病

・脂質異常症

・喫煙

・肥満

・加齢

・運動不足

 などがあります。

 特に、

 「高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙」

 などは、動脈硬化を進行させる重要な危険因子です。

 そのため、アテローム梗塞を発症した患者さんでは、

 既往歴や生活習慣について確認することも大切です。

新人ちゃん
新人ちゃん

ラクナ梗塞もアテローム梗塞も、
動脈硬化が関係しているんだね!


アテローム梗塞の症状

 アテローム梗塞では、

 障害された脳の部位によってさまざまな症状が出現します。

 代表的な症状には、

片麻痺

感覚障害

構音障害

失語

意識障害

共同偏視

視野障害

嚥下障害

 などがあります。

新人ちゃん
新人ちゃん

うわあ⋯

いっぱい症状がある⋯

 

例:左中大脳動脈領域の脳梗塞では、

  右片麻痺や失語

  などがみられることがある。

例:右中大脳動脈領域では、

  左片麻痺や半側空間無視

  などがみられることがある。

 そのため、

 「麻痺があるか」だけを見るのではなく、

 「意識・瞳孔・運動・感覚・言語・視野・嚥下」などを

 総合的に観察することが大切です。


アテローム梗塞の検査って何をする?

 アテローム梗塞が疑われる場合には、

 さまざまな検査が行われます。

頭部CT

 脳出血の有無などを確認するために行われます。

 発症直後の脳梗塞では、

 CTで明らかな変化が分からない場合もあります。

 そのため、CTだけで判断するのではなく、

 症状や他の検査結果と合わせて評価します。

頭部MRI

 MRIでは、急性期脳梗塞の病変を確認することができます。

 特にDWI(拡散強調画像)は、急性期脳梗塞の検出に有用です。

MRA

 MRAでは、脳血管の狭窄や閉塞などを確認します。

 「どの血管が詰まっているのか?」

 を確認するために重要な検査です。

頸動脈エコー

 頸動脈の動脈硬化やプラークの状態を確認します。

 アテローム梗塞では、

 頸動脈にどの程度の狭窄があるのか、

 プラークがどのような状態なのかを評価することがあります。

血液検査

 血糖値やHbA1c、LDLコレステロールなどを確認し、

 動脈硬化の危険因子を評価します。

 また、治療を行ううえで

 血小板数や凝固系などを確認することもあります。


アテローム梗塞の治療って何をする?

 アテローム梗塞の治療は、

 発症直後の治療と再発予防に分けて考えると分かりやすいです。

急性期の治療

 発症からの時間や病状などを考慮して、

静注血栓溶解療法(rt-PA療法)

血栓回収療法

抗血小板療法

全身管理

 などが行われます。

静注血栓溶解療法(rt-PA療法)

 代表的な治療として、

 rt-PA(アルテプラーゼ)を使用した血栓溶解療法があります。

 脳梗塞の発症から治療開始までの時間が重要になるため、

 「最終健常確認時刻」

 など、発症時刻に関する情報を正確に確認することが重要です。

ひめたろ
ひめたろ

詳しくはまた別記事で解説します!

血栓回収療法

 大きな血管が閉塞している場合には、

 カテーテルを使用して血栓を取り除く血栓回収療法が検討されます。

 治療後は、神経症状だけでなく

 出血性合併症などにも注意して観察します。

ひめたろ
ひめたろ

詳しい説明はまた別記事で!

抗血小板療法

 アテローム梗塞では、

 再発予防などを目的として

 抗血小板薬が使用されることがあります。

 代表的な薬剤として、

アスピリン

クロピドグレル

シロスタゾール

 などがあります。

 薬剤の種類や使用期間は患者さんの病状によって異なります。


アテローム梗塞の看護ポイント!

 ここからは、

 アテローム梗塞の患者さんを受け持ったときに、

 看護師として何を観察するのかを見ていきます。

① 神経症状の変化を観察する

脳梗塞患者さんでは、神経症状の変化を見逃さないことが重要です。

観察項目として、

意識レベル

瞳孔の大きさと、対光反射の有無

運動麻痺

感覚障害の有無

構音障害の有無

失語の有無

共同偏視の有無

視野障害の有無

嚥下状態

 などを確認します。

ひめたろ
ひめたろ

意識状態・運動麻痺・瞳孔については

脳卒中患者の必須観察項目をまとめた記事があるので、

そちらをご覧ください!

また、麻痺・感覚障害・失語・構音障害・

視野障害・半側空間無視などは、

NIHSSでも評価できます。

 ・脳卒中患者への必須観察項目

 ・NIHSSとは?

 特に、

 「さっきまで普通に話していたのに、急に言葉が出なくなった」

 「右手が急に動かしにくくなった」

 などの変化があれば、

 脳梗塞の再増悪などを疑って

 すぐに報告することが重要です。


② 血圧を観察する

 脳梗塞急性期では血圧が高くなる患者さんもいます。

 しかし、脳梗塞の種類や治療内容によって、

 血圧管理の目標は異なります

 特に血栓溶解療法を行う患者さんでは、

 治療前後の血圧管理が重要になります。

 そのため、

 「血圧が高いからすぐに下げればいい」

 というわけではありません。

 医師から指示された血圧目標を確認し、

 血圧の推移を観察することが大切です。

新人ちゃん
新人ちゃん

え?

血圧なんて高かったら低くするのが普通じゃないの?

 そんな疑問をもった方は脳卒中の血圧管理について、

 記事にまとめたものがあるので

 そちらを参照してください!

 ・脳卒中患者への血圧管理


③ 嚥下障害・誤嚥に注意する

 脳梗塞では嚥下障害を伴うことがあります。

 嚥下機能が低下している患者さんに、

 そのまま食事や水分を摂取してもらうと、

 誤嚥する可能性があります。

 そのため、

嚥下機能(STとの協力や飲水テストによる評価)

声の濁り(嗄声)

むせの有無

食事中の呼吸状態

 ⇒呼吸数やSpO2に変化がないか

食後の痰の増加

 などを観察します。

 食事開始前には、

 必要に応じて飲水テストなどの嚥下評価が行われます。


④ 抗血小板薬による出血に注意する

 抗血小板薬を使用している患者さんでは、

 出血にも注意します。

 例えば、

鼻出血

歯肉出血

皮下出血

血尿

黒色便

消化管出血を疑う症状

 などを観察します。

 また、急激な意識レベルの低下や新たな神経症状が出現した場合には、

 脳梗塞の再増悪だけでなく

 頭蓋内出血などの可能性も考え、

 速やかに報告することが重要です。


⑤ 再発予防につなげる

 アテローム梗塞では、

 動脈硬化の危険因子を管理することが再発予防につながります。

 そのため、

血圧管理

血糖コントロール

脂質管理

禁煙

食生活

運動

服薬継続

 などについて患者さんに説明することも大切です。

 退院後も治療を継続できるように、

 患者さんが自分の病気や薬について理解できているか確認します。

ひめたろ
ひめたろ

脳卒中は再発することがあるよ!

患者さんがいかに自分のことと捉えて

再発予防に努められるようサポートしていこう!


まとめ

 今回は、アテローム梗塞について解説しました。

 アテローム梗塞は、

 動脈硬化によって形成されたプラークなどが関係して起こる脳梗塞です。

 特に、

 高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙

 などの動脈硬化危険因子が重要になります。

 看護では、

神経症状の変化
血圧
嚥下・誤嚥
出血
再発予防

 を意識して観察することが大切です。

 脳梗塞は、発症後の時間や症状の変化が非常に重要です。

 患者さんの「いつもと違う」を見逃さず

 少しでも変化があれば早めに報告できるようにしましょう

 次回は、脳梗塞の中でも

 心臓から血栓が飛んでくることで起こる

 「心原性脳塞栓症」について解説します。

 お楽しみに!

 それではまた次回!

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