慢性硬膜下血腫の穿頭血腫洗浄術後管理とは?病態・手術・ドレーン管理まで徹底解説!

新人看護師向け

 こんにちは!

 ひめたろ🐶です。

 今回は、慢性硬膜下血腫の穿頭血腫洗浄術(穿頭ドレナージ術)の術後管理について解説します。 

 脳神経病棟では、慢性硬膜下血腫の患者さんが

 穿頭血腫洗浄術(穿頭ドレナージ術)を受けることがあります。

 しかし、このような疑問を持ったことはありませんか?

新人ちゃん
新人ちゃん

・術後はなぜドレーンが入っているの?

・いつまで安静なの?

・翌日にCTを撮るのはなぜ?

・ドレーンはいつ抜けるの?

・看護師は何を観察すればいいの?

 

 術後管理を理解していないと、

 出血や再発などの異常を見逃してしまう可能性があります。

 そこで今回は、

 慢性硬膜下血腫の術後の流れ・ドレーン管理・看護師が観察したいポイント

 についてわかりやすく解説します!


慢性硬膜下血腫とは?

⋯頭をぶつけたあとなどに、

 硬膜と脳の間に少しずつ血液が溜まる病気のこと

(東海大学医学部付属八王子病院看護部より)

 高齢者では軽い転倒でも発症することがあり、

 受傷から数週間〜数か月経って症状が現れることもあります。

 代表的な症状としては以下のとおりです。

・歩行障害

・片麻痺

・頭痛

・物忘れ

・意識障害  など

ひめたろ
ひめたろ

私の経験上、

慢性硬膜下血腫では

転倒により頭をぶつけて、

数週間後に歩行障害が出てきて

救急に運ばれて発覚ってパターンが多いかも


 慢性硬膜下血腫と診断されると、

 多くは穿頭血腫洗浄術(穿頭ドレナージ術)が行われます。

穿頭血腫洗浄術(穿頭ドレナージ術)とは?

⋯頭蓋骨に小さな穴(穿頭)を開け、

 溜まった血液を洗浄・排出する手術のこと

(東海大学医学部付属八王子病院看護部より)

 術後は再び血液が溜まらないように、

 硬膜下ドレーンを留置することが一般的です。

ひめたろ
ひめたろ

うちの病棟では、

シリコン製の低圧持続吸引ドレーンを使用することが多いよ!

リザーバーを軽く押して陰圧を作るだけなので、

管理もしやすいんだ!

 

 また、「穿頭血腫洗浄術」と聞くと

 大掛かりな手術だと理解しがちですが、

 この手術は比較的短時間で終わることが多いです。

 ただし術後管理が特に大切なので、

 その内容について次章で見ていきましょう!

ひめたろ
ひめたろ

今まで穿頭血腫洗浄術を受けた患者さんは

手術開始から30分くらいで帰ってくることが多かったよ


 施設によって多少異なりますが、

 一般的には次のような流れになります。

① 病棟へ帰室

② ドレーン管理を開始⇒ここが一番大事

③ 医師の指示があるまで床上安静

④ 翌朝CTで血腫や出血の有無を確認

⑤ 問題なければドレーン抜去

⑥ 離床開始・リハビリ

新人ちゃん
新人ちゃん

えっ!

ドレーンが今朝まで入っていたのに

抜去したらすぐ歩けるの?

 慢性硬膜下血腫は、

 血腫を取り除くことで

 症状が改善する患者さんも多いです。

 そのためCTで問題がなければ、

 ドレーンを抜去してすぐに

 早期離床を進めることが多いのです。


なぜ術後は床上安静なの?

 術後すぐは、

 再出血や血腫の再貯留が起こる可能性があります。

 また、ドレーンが抜けてしまう危険もあるため、

 医師の指示があるまでは床上安静となります。

 翌日のCTで問題がないことを確認してから、

 離床が開始されることが一般的です。

ひめたろ
ひめたろ

ドレーンが抜けると

そこからの感染とか頭に残っている血腫を取り除けないから

ドレーン管理はしっかりする必要あり!


 術後管理で最も重要なのが

 ドレーン管理です。

 看護師は以下の点を観察します。

・排液量

 ⇒急激に増加している場合は再出血リスクあり。

・排液の色調(血性・淡血性など)

・ドレーンの屈曲・閉塞

 ⇒うまく排液できないと脳に貯留するリスクあり。

・自己抜去の危険

 ⇒自己抜去のリスクがある患者さんには

  事前に本人または家族に説明し、

  両上肢を抑制することを検討する。

・バッグの位置

 ⇒ドレーンが引っ張られていないか、

  患者さんの頭部に対して

  バッグの位置が低すぎないか高すぎないか見る。

ひめたろ
ひめたろ

⑦のバッグの位置について、

バッグが頭部より極端に低いと

過剰に排液される可能性があり、

高すぎると

排液が不十分になることがあるんだ!


 慢性硬膜下血腫術後に対して看護師が観察したいポイントは

 ドレーン管理を含めて7つあります。

① 【重要】意識レベル

 JCSやGCSを用いて、

 術前と比較して変化がないか確認します。

ひめたろ
ひめたろ

病棟でよく使われるJCSの見方については

過去投稿にあるから

ぜひ参考にしてね!↓↓

・JCSの過去投稿


② 【重要】麻痺

 片麻痺や構音障害など、

 神経症状が悪化していないか観察します。

 過去投稿に運動麻痺、構音障害について解説した記事があるので

 参考にしてください。↓↓

・運動麻痺の過去投稿

・構音障害の過去投稿


③【重要】 瞳孔

 左右差や対光反射を確認します。

 再出血や頭蓋内圧亢進で瞳孔に変化がある可能性があります。

 この瞳孔の見方についても過去投稿がありますので参考にしてください。

・瞳孔の過去投稿


④ 頭痛の悪化の有無

 術後の頭痛が急激に悪化していないか確認します。

ひめたろ
ひめたろ

確かに患者さんにしたら頭に管入っているし、

多少違和感はあるだろうけど、

頭痛が急激に悪化していると

頭蓋内出血の可能性もあるから

他の神経所見も合わせてアセスメントしていこう!


⑤ ドレーン管理

 排液量・排液性状・固定状態を確認します。

 詳しくは先ほどに挙げたドレーン管理の章をもう一度ご覧ください。


⑥ 【重要】創部

 出血やドレッシングの汚染がないか観察します。

 あまりに出血していたり、ドレッシング剤の汚染があると

 再出血のリスクや創部からの感染リスクがあるので注意です。 


⑦ バイタルサイン

 血圧・脈拍・SpO₂などを確認し、

 全身状態を把握します。

 血圧や脈拍の変化は、

 再出血や全身状態の悪化を示すサインになることがあります。

 術後も当たり前に行うバイタルサイン測定ですが、

 特に注意して行っていきましょう!


 慢性硬膜下血腫は、

 手術を行っても再発することがあります。

 そのため、退院後も外来で経過観察を行う必要があります。

 退院後に以下のような症状がないか、

 事前に患者さんに説明していく必要があります。

・頭痛

・歩きにくさ

・手足の動かしにくさ

・物忘れ

 そしてこれらの症状が再び出現した場合は、

 早めに受診するよう説明することが大切です。


 実際これまでに何回も慢性硬膜下血腫の患者さんは担当したことがあります。

 多くが以前に転倒して頭部をぶつけたことがあり、

 その数週間後に歩行障害や意識障害で救急部に運ばれて

 CT撮影すると慢性硬膜下血腫が見つかったというケースが多いです。

ひめたろ
ひめたろ

たまに転ぶことはあるけど、

頭は絶対打ってませんっていう人いるけど、

そのときの頭部CTで

脳の4分の1が血腫だったってことあるよ。

絶対何かしらで頭打ってないと

こんな血腫できないと思うけどなあ⋯

 発見されると、

 決まってすぐにオペへ向かって

 穿頭血腫洗浄術(穿頭ドレナージ術)を施行するのです。

 割と術後意識状態はⅠー1から清明な人が多いイメージですが、

 床上安静とドレーン挿入があるため、

 本人と相談して身体抑制を行うこともありました。

ひめたろ
ひめたろ

特に夜間とか入眠している間に

無意識に頭触ってドレーン自己抜去は

シャレにならないからね…

 ドレーン管理はスパイナルドレナージほど

 時間ごとの厳密な排液管理はありません。

 急激な排出量の増加がない限り、

 時間が立つにつれて排出量は減少していきます。

 そして翌日朝にCT撮影を主治医とともにベッド搬送し、

 問題なければ抜去、離床するという流れでした。

ひめたろ
ひめたろ

慢性硬膜下血腫術後は

約1日間のみ床上安静ですが、

それでも寝てばかりだと

腰痛を訴える患者さんが多いよ!

側臥位くらいは大丈夫だから、

患者さんの訴えに応じて体位変換していこう!


 今回は、慢性硬膜下血腫の穿頭血腫洗浄術(穿頭ドレナージ術)について解説しました。

 慢性硬膜下血腫の穿頭血腫洗浄術後は、

 ドレーン管理と神経学的観察が重要になります。

 術後は床上安静となりますが、

 翌日のCTで再出血や血腫の再貯留がないことを確認し、

 問題がなければドレーンを抜去して離床を進めることが一般的です。

 看護師は、意識レベル・神経症状・ドレーン・創部・バイタルサインを継続的に観察し、

 異常の早期発見に努めることが大切です。

 また、ドレーン抜去後は早期離床へ看護の重点が変わります。

 患者さんの状態に合わせて

 観察ポイントを切り替えていくことが大切ですね。

 それではまた次回!

・東海大学医学部付属八王子病院:本当に大切なことが1冊でわかる脳神経,照林社,2024.

コメント

タイトルとURLをコピーしました