こんにちは!
ひめたろ🐶です。
今回はパーキンソン病について解説したいと思います!
脳神経病棟では、
パーキンソン病の患者さんを受け持つことがあります。
薬剤調整のために入院したり、
ヴィアレブ(レボドパ・カルビドパ持続皮下注療法)を導入したりする患者さんを担当する機会もあるでしょう。
しかし、こんな疑問を持ったことはありませんか?

・そもそもパーキンソン病って何が起きている病気?
・ドパコールってどういう薬?
・ヴィアレブ導入後は何を観察すればいい?
・幻覚やせん妄は副作用なの?
実はパーキンソン病は「手が震える病気」ではありません。
薬が効いて動ける時間(ON)と動けなくなる時間(OFF)があり、
その人らしい生活を維持するためには、
薬と生活リズムをうまく合わせることがとても重要な病気です。
今回は、
新人看護師が知っておきたいパーキンソン病の病態・薬物療法・
ヴィアレブ導入時の看護について分かりやすく解説します。
目次
そもそもパーキンソン病とは?
パーキンソン病とは?
…脳の黒質(こくしつ)という部分で作られる
「ドパミン」という神経伝達物質が減少することで起こる
進行性の病気のこと

ドパミンってなんだっけ??
ドパミンは、
体をスムーズに動かすための指令を調節する重要な役割を担っています。
ドパミンが不足すると、
・動き始めるまで時間がかかる(無動・寡動)
・筋肉が固くなる(筋強剛)
・手足が震える(手指振戦)
・バランスを崩しやすくなる(姿勢反射障害)
などの症状が現れます。
高齢者に多い病気ですが、
40〜50代で発症する若年性パーキンソン病もあります。

明らかに動きにくそうだね…
生活しにくそう

そうだね…
だけどこの病気といかに付き合っていくかが大事だから
本人・家族と一緒に考えていきたいよね
【復習】パーキンソン病の4大運動症状

新人看護師がまず覚えておきたいのが、この4つの運動症状です。

看護師国家試験でも勉強したと思うけど、
一応復習だよ!
① 振戦(しんせん)
安静時に手が震える症状です。
親指と人差し指で小さな粒を転がしているような震えが特徴ですが、
全員に現れるわけではありません。

ずっと指が震えているって感じだね
② 筋強剛(きんきょうごう)
筋肉が固くなり、関節を動かすと抵抗を感じます。
診察では「歯車様固縮」と呼ばれる、
特徴的な抵抗を認めることがあります。
③ 無動・寡動(むどう・かどう)
「動けない」というより、
動き始めるまで時間がかかる状態です。
患者さんから、

立ちたいけど、足が出ない…
と訴えられることがあります。
この症状は転倒リスクを高めるため注意が必要です。
④ 姿勢反射障害
バランスを保つ機能が低下します。
・小刻み歩行
・突進歩行
・後ろ向きに倒れる
などがみられ、病棟でも転倒予防が重要になります。

うちの病棟でも転倒予防として
「トイレ行くときとかは
ナースコールしてください」
って患者さんに話してたよ
運動症状だけじゃない!非運動症状も重要
実はパーキンソン病では、
運動症状より前から様々な症状が現れることがあります。
よくみられる非運動症状
非運動症状は以下のように様々あります。
・便秘
・嗅覚低下
・レム睡眠行動異常
・起立性低血圧
・抑うつ
・幻視 など
特に幻視は、

・(誰もいないのに)部屋に誰かいる
・(子どもはいないのに)あそこに子どもがいる
といった訴えとして現れることがあります。
これらは病気の進行や薬剤の影響を考える重要なサインになります。
パーキンソン病治療薬①:ドパコールとは?効果・副作用のポイント
パーキンソン病治療で中心となる薬が
ドパコール(レボドパ+カルビドパの合剤)です。

レボドパとカルビドパって何か違いがあるの?

若干違いがあるんだよね
レボドパとカルビドパ:それぞれの役割
・レボドパ
…脳の中でドパミンに変わる。
・カルビドパ
…レボドパが脳へ届きやすくし、副作用を減らす。

なるほど!
レボドパとカルビドパは一緒に作用することで
意味があるんだね!
内服で体が動くならいいね!

そんな内服治療なんだけど、
ON・OFF現象といって
体が動く時と動きにくくなる時があるんだよ
パーキンソン病の内服治療でよくあるON・OFF現象とは?

ON・OFF現象って何??
パーキンソン病では、
薬が効いている時間(ON)と、
薬が切れている時間(OFF)が現れることがあります。

具体的にどういうものなのか見てみようか!
ONの時
パーキンソン病でのONの時とは、
薬が効いているときなので、
体が動きやすくなっている状態です。
・歩ける
・食事しやすい
・リハビリが進む
OFFの時
ONに対して、OFFの時とは、
薬が切れているときなので
体が動きにくくなっている状態です。
・動けない
・飲み込みにくい
・表情が乏しい
・トイレへ行けない
・リハビリが進まない
薬の効果が切れるタイミングは人によって異なり、
毎日ほぼ同じ時間帯に起こる人もいます。

だからこそ、
薬の効果が切れるタイミングで
ドパコールを内服できるか、
内服量・時間の調整が必要なんだ!
パーキンソン病治療薬②:ヴィアレブとは?効果・副作用のポイント

近年、進行したパーキンソン病で使用される治療で
ヴィアレブ(レボドパ・カルビドパ持続皮下注療法)というものもあります。

ヴィアレブ?ってなに?
従来の飲み薬では血中濃度が上下しやすく、
OFF時間が長くなる患者さんがいます。
ヴィアレブではポンプを用いて皮下へ薬を持続投与することで、
・OFF時間を減らす
・動ける時間を延ばす
・日常生活を維持する
ことを目的としています。
つまり、「病気を治す治療」ではなく、
「生活を続けやすくする治療」です。

え!
内服で起こっていたOFFの時間が
ヴィアレブでなくなるならそっちの方がいいじゃん!
パーキンソン病のみんながヴィアレブやれば解決!

実は、そんな簡単な話じゃないんだよなあ…
ヴィアレブにもデメリットがあるんだよ
それに内服と違ってOFF時間を減らせる人は多いけど、
全員が完全になくなるわけではないんだ。
ヴィアレブでよくある幻覚・せん妄は副作用?
ここはヴィアレブを開始するにあたって
とても悩みやすいポイントです。
ヴィアレブを含むレボドパ製剤では、
・幻視
・妄想
・混乱
・せん妄
などの精神症状が副作用として現れることがあります。
しかし、それだけとは限りません。
高齢患者さんでは、
・尿路感染や刺入部からの感染
・昼夜逆転
・在宅から病室への環境変化
でもせん妄は起こります。
そのため「薬の副作用だ」と決めつけず、
全身状態も合わせて観察することが大切です。

今までパーキンソン病を持つ患者さんが
ヴィアレブ導入のために入院してきたってことは
何件かあったけど、
結構幻覚や幻聴、異常行動を起こすことがあったんだよ。
そんな副作用があるから
本人・家族がヴィアレブを断念するってパターンが多いよ!
パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係

あれ?
なんで急にパーキンソン病と
レビー小体型認知症の関係が挙がったの?

私の担当患者さんが実際に
パーキンソン病発症後にレビー小体型認知症も発症したんだ。
この2つの関係の有無について見ていくよ!
実は、この2つは全く別の病気ではありません。
どちらも脳内にレビー小体(αシヌクレイン)が蓄積する病気です。
この2つの病気の違いは、
認知症が出現するタイミングです。
パーキンソン病
運動症状が先に始まり、
1年以上経ってから認知症が出現すると、
「パーキンソン病認知症」と考えられます。
この違いは「1年ルール」と呼ばれています。
レビー小体型認知症
認知症や幻視が先、
または運動症状とほぼ同時に現れることが特徴です。
つまり、
パーキンソン病の患者さんで幻覚が出た場合、
・薬の影響(ヴィアレブなど)
・病気の進行
・レビー小体病による認知症
などを総合的に考える必要があります。

正直当時はパーキンソン病から
認知症になるっていうことを知らなくて
ヴィアレブ後にせん妄や幻覚が出てきたから、
ヴィアレブの副作用かなって思ってたんだよね。
今後はレビー小体型認知症の可能性も含めて
考えていきたいね!
新人看護師が押さえたい観察ポイント

ここまでパーキンソン病について学んだけど、
病棟でパーキンソン病の患者さんがいた場合、
どんなことに気をつければ良いのかな…?
病棟では、症状だけを見るのではなく、
退院後の生活がどう変化していくかを見ることが重要です。
観察ポイント
以下に観察ポイントをまとめたものを提示します!
【パーキンソン病そのものの症状・起こりうるリスクについて】
・病室内の環境調整
⇒床や身の回りにいろんな物が置いてあったり、
手すりなどがない環境での転倒リスクの有無
・OFFの状態の身体の動きにくさの状態
⇒歩行・更衣・食事・排泄など一連のADL/IADLの評価
リハビリの先生と協力し評価。
・認知機能の低下の有無
⇒OTなどリハビリの先生と協力し、
入院中の認知機能を評価。
・せん妄や幻覚症状の有無
・嚥下状態
⇒特にOFFの時の嚥下状態に注意!
ここでもSTとの協力が大事!
・表情の変化
⇒パーキンソン病により、OFFの状態だと
表情が乏しくなる。
【ドパコールなど内服治療における観察ポイント】
・ON・OFFの変化、タイミング
⇒これを把握できれば、
その人に合ったドパコールの内服時間を知ることができる。
OFFになる前にドパコールを内服するなど。
・内服時間は守られているか
⇒退院後にドパコールの内服をしていくのは主に本人や家族。
自分のON・OFFのタイミングを仮に知ったとしても
その人に合った内服タイミングで内服できなければ
意味がない。
もし、自身で内服時間を守れないのであれば、
家族の協力も必要。
【ヴィアレブの治療における観察ポイント】
・ヴィアレブのポンプ管理
⇒医師の指示によりその人にあった薬剤の流量設定、
チューブの屈曲、接続部の確認などあり。
・注射部位の確認(発赤や腫脹、疼痛などの有無)
⇒ヴィアレブは皮下注射なので、刺入部位の観察は重要。
・せん妄や幻覚症状の有無
⇒もともとのパーキンソン病の進行による症状なのか、
ヴィアレブによる症状なのか注意深く見ていく。

仮にヴィアレブ導入のために入院してきたとしても、
副作用によって断念することもあることを覚えておこう!
ひめたろの実体験:ヴィアレブ導入のために入院してきた患者さんへの看護
私も実際にヴィアレブ導入のために入院してきた、
パーキンソン病の患者さんを担当したことがあります。
もともとはパーキンソン病に対して
ドパコールの内服をしていた方でしたが、
夜間薬の効果がなくなり動けなくなるため、
ヴィアレブの導入を決意したそうです。

最初はヴィアレブの管理について本人・家族へ指導する気まんまんだったけど…
ヴィアレブ開始して数日後、

・病院が燃えている!
・あそこに知らない子どもがいる!
と、幻覚症状が見られたり、
夜中一睡もせずに何回も着替えたり、
ヴィアレブを自己抜針したりと異常行動がありました。
本人もそんな自分の異常行動に耐えられず、

ヴィアレブをやめたい…
と話して、
主治医と相談しヴィアレブを中断することになりました。
ヴィアレブ中断なので早々にドパコールの内服に切り替わり、
退院されましたが、今思うと…

内服だと夜間動けなくなるOFFの時間が嫌で
ヴィアレブ導入を決意したのに、
ヴィアレブ中断したら元の問題に戻っちゃうじゃん
今となれば、
ヴィアレブ中断の時点で内服に戻ったときの問題点に向き合い、
本人・家族と退院後の生活や内服時間について話し合えたらよかったな…とちょっとした後悔があります。

ヴィアレブ中断だからこれで終わり!
と思うんじゃなくて、
そもそもなんでヴィアレブを導入したかったのか、
内服に戻るときの問題点に注目して
今後同じような流れがあったら意識していこうと思う!
そんな学びがあった事例でした。
まとめ
今回は、パーキンソン病について解説しました!
パーキンソン病は、ドパミン不足によって運動だけでなく、
便秘や睡眠障害、幻覚など様々な症状が現れる進行性の病気です。
特に病棟では、
・ドパコールを時間通りに内服できているか
・ON・OFF現象を把握すること
・ヴィアレブ導入時のポンプ管理と注射部位の観察
・幻覚や認知機能の変化を見逃さないこと
が重要になります。
患者さんが「どれだけ歩けたか」だけではなく、
その人らしい生活を続けられる時間を支えることが、
パーキンソン病看護の大切な役割です。
それではまた次回!
参考文献
・MMSEやFABについて(認知機能評価)


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