対光反射がないのはなぜ?考えられる病態と看護師が行うべき観察ポイントを解説!

新人看護師向け

 こんにちは!

 ひめたろ🐶です。

 今回は対光反射について解説します!

 脳神経病棟では、

 脳卒中や脳外科手術後の患者さんに対して、

 定期的に瞳孔や対光反射を観察します。

 しかし、その意味まで理解しながら観察できているでしょうか?

新人ちゃん
新人ちゃん

・対光反射がないって何が起こっているの?

・対光反射がない疾患に

 脳ヘルニアってよく聞くけど、

 どういう関係があるの?

・対光反射が消失したら、

 看護師は何を確認すればいいの?

 対光反射の消失は、

 脳の異常を知らせる重要な神経所見です。

 今回は、対光反射が消失する病態と、

 看護師が行うべき観察・対応について解説します!


 対光反射とは、

 光を当てると、瞳孔が自動的に小さくなる反射です。

 この反射は、

・視神経(Ⅱ)

・中脳

・動眼神経(Ⅲ)

 が正常に働くことで起こります。

 つまり、

 この経路のどこかに障害があると対光反射は消失します。

 対光反射の定義を確認したところで、

 対光反射が消失する病態について

 早速見ていきましょう!


 対光反射が消失する病態には主に3つあります。

 それが、

①脳ヘルニア

②動眼神経麻痺

③中脳障害

 です。

 それぞれの病態について解説していきます!

対光反射が消失する病態① 脳ヘルニア

 脳神経病棟で最も注意すべき原因です。

 脳出血や脳梗塞、脳腫瘍などによって

 頭蓋内圧が上昇すると、

 脳が押し出され、動眼神経が圧迫されます

 すると、

・散瞳

 …瞳孔が通常より大きく開いた状態

・瞳孔不同(アニソコ)

 …左右の瞳孔の大きさに差がある状態

・対光反射の消失

・意識障害

 などが出現します。

 脳幹まで障害されると生命に関わるため、

 緊急対応が必要です。


対光反射が消失する病態② 動眼神経麻痺

 動眼神経が障害されると、

 瞳孔括約筋が働かなくなり、

 光を当てても瞳孔は縮小しません。

 原因としては、

・後交通動脈瘤

・糖尿病による神経障害

・頭部外傷

 などがあります。

ひめたろ
ひめたろ

ここでいう頭部外傷

外傷により動眼神経(Ⅲ脳神経)が傷ついたことで

対光反射がなくなっちゃうよってことだよ!

 

 また、動眼神経麻痺の症状として他にも

・眼瞼下垂

・外下方偏位

 …眼球が外側かつ下側を向き、

  正面を向けなくなった状態

 を伴うことも特徴です。

新人ちゃん
新人ちゃん

動眼神経ってどういう役割を持ってるんだっけ?

 一度ここで、動眼神経について確認しましょう!

動眼神経とは?

 動眼神経は、

・まぶたを持ち上げる

・眼球を上下/内側へ動かす

・瞳孔を縮める(対光反射)

 という重要な役割があります。

新人ちゃん
新人ちゃん

あ、だから動眼神経麻痺があると

まぶたが下がったり、

対光反射がなくなっちゃうんだね!

ひめたろ
ひめたろ

外下方偏位については

眼球を上下・内側へ動かす筋肉が働かなくなって、

残った筋肉(外転神経・滑車神経)が優位になるから

眼球が外側かつ下側に向くんだ!

 動眼神経麻痺について、

 「まぶたが開かない・眼球が動かない・瞳孔が縮まらない」

 この3つをセットで覚えると、

 動眼神経麻痺を理解しやすくなります。


対光反射が消失する病態③ 中脳障害

 中脳は対光反射の中継地点です。

 そのため、

・中脳梗塞

・中脳出血

・中脳腫瘍

 (中脳を圧迫する、または中脳へ浸潤する)

 などでは対光反射が消失することがあります。

 意識障害や呼吸異常を伴う場合は、

 重篤な状態を疑います。

新人ちゃん
新人ちゃん

中脳って脳幹の一つだよね?

そこの梗塞とか出血って危なそうだね…

 実際、中脳が障害される病気は重症なことが多いです。

 なぜなら中脳には、

対光反射の中継

動眼神経核

意識を保つ神経ネットワーク(ARAS)の一部

 …これが働くことで、

  人は目を覚まして意識を保つことができるもの

・錐体路

 …脳から「体を動かせ!」という命令を筋肉へ伝える神経の通り道のこと

 など、生命維持や重要な神経機能が集中しているためです。

ひめたろ
ひめたろ

他にも点眼による散瞳薬、てんかん発作後に

一時的に対光反射がなくなることがあるよ!

 

新人ちゃん
新人ちゃん

対光反射が消失する原因を知ることができたけど、

対光反射が戻ることはあるの

ひめたろ
ひめたろ

これだけ対光反射がないと重篤なことが多いから

そういう疑問が出てくるのも無理ないよね!

次章からその話をしていこうか!

 結論、原因によっては回復することがあります。

 例えば、先ほど話した疾患から考えていきましょう。

① 脳ヘルニア

 脳ヘルニアによって一時的に動眼神経が圧迫されている場合は、

 手術や治療によって圧迫が解除されると

 対光反射が改善することがあります

 しかし、圧迫が長時間続き神経が強く障害されると、

 回復しない場合もあります。

② てんかん発作後

 発作に伴って

 一時的に対光反射が低下することがありますが、

 発作が治まると改善することがあります。

③ 薬剤の影響

 散瞳薬などが原因の場合は、

 薬の効果が切れると元に戻ります。

④ 中脳梗塞や動眼神経麻痺

 神経の障害が軽ければ改善することもありますが、

 障害が強い場合は後遺症として残ることがあります。

ひめたろ
ひめたろ

つまり、神経の障害が軽度だったり

動眼神経の圧迫時間が短いと

治療によって対光反射が戻ることがあるんだ!


 それではここで看護師が観察すべきポイントを見ていきましょう!

① 瞳孔径

 瞳孔の左右差はないか、散瞳の有無がないか見ていきます。

 瞳孔の見方は以前、記事として投稿しているので

 参照してください!

 瞳孔の見方⇒ https://x.gd/lbI57


② 対光反射

 目に光を当てた時、

 左右それぞれで対光反射があるか、

 片側の対光反射だけ消失していないかみていきます。


③ 意識レベル

 JCS、GCSにより、

 意識レベルの変化を見ていきます。

 急激な意識状態低下がないか確認します。

 意識レベルの見方も過去投稿がありますので

 参照してください!

 意識状態の見方⇒ https://x.gd/LEFi2


④ 運動麻痺

 片麻痺の出現や悪化がないか確認します。

 運動麻痺の見方についても過去投稿がありますので

 参照してください!

 運動麻痺の見方⇒ https://x.gd/EZkiv


⑤ バイタルサイン

 血圧・呼吸・脈拍も一緒に確認しましょう!

 血圧上昇・徐脈・呼吸異常は

 頭蓋内圧亢進や脳ヘルニアを疑います。


⑥ 症状出現時刻

 対光反射が消失した時間を確認・記録し、

 速やかに医師へ報告します。


 対光反射が消失した場合は、

 脳の異常が進行している可能性を考え、迅速に対応することが重要です。

・瞳孔径・対光反射を再確認する

・意識レベルや麻痺の変化を評価する

・バイタルサインを測定する

・症状出現時刻を記録する

・以上のことを医師へ速やかに報告する

・CTやMRIなどの検査が行えるよう準備する

 また、経時的な変化を記録し、

 「いつから」「どのように変化したか」を正確に伝えることも重要です。


 今回は対光反射について解説しました!

 対光反射の消失は、

・脳ヘルニア

・動眼神経麻痺

・脳幹障害

 などでみられる重要な神経所見です。

 特に、散瞳や瞳孔不同、意識障害を伴う場合は、

 頭蓋内圧亢進や脳ヘルニアの可能性も考え、

 迅速な対応が必要です。

 対光反射だけで判断するのではなく、

 意識レベルや麻痺、バイタルサインなど

 他の神経所見も総合的に評価することが、

 異常の早期発見につながります。

 それではまた次回!

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