ステロイドパルス療法の副作用と看護|観察ポイントをわかりやすく解説!

看護技術

 こんにちは!

 ひめたろ🐶です。

 今回はステロイドパルス療法の副作用と観察ポイントについて解説します!

 脳神経病棟では、

 多発性硬化症、視神経脊髄炎、自己免疫性脳炎、重症筋無力症、血管炎など・・・

 さまざまな疾患に対してステロイドパルス療法が行われます。

 しかし、こんな疑問を持ったことはありませんか?

新人ちゃん
新人ちゃん

・ステロイドパルス療法って何をしているの?

・副作用にはどんなものがあるの?

・看護師は何を観察すればいいの?

 ステロイドは炎症を抑える効果が非常に高い反面、

 さまざまな副作用が起こる可能性があります

 この記事では、

 ステロイドパルス療法で起こりやすい副作用と看護のポイントについて

 わかりやすく解説します!


 ステロイドパルス療法とは、

 大量のステロイド(主にメチルプレドニゾロン)を3日間程度、

 点滴で投与する治療法です。

 大量のステロイドを短期間で投与することで、

 強い炎症や免疫反応を速やかに抑えることができます

 脳神経内科や脳神経外科では、

 自己免疫疾患や炎症性疾患に対してよく行われます。


新人ちゃん
新人ちゃん

短期間で大量のステロイドを投与するってことは

副作用も大きそうだよね

 そのとおりです。

 ステロイドには、炎症を抑えるだけではなく、

 全身の糖代謝・脂質代謝・水分や電解質のバランスなどにも影響を与えます。

 そのため、短期間であっても副作用が現れることがあります。


① 高血糖

 皆さんはステロイドパルス療法を受けている患者さんの血糖測定のとき、

 あまりに高血糖すぎて驚いたことがありませんか?

新人ちゃん
新人ちゃん

血糖300超え?!

いつもは100台なのになんでこんな高いの?

ひめたろ
ひめたろ

ステロイドには「ある2つの作用」があるから

高血糖になりやすいんだよ

 ステロイドには、

1.肝臓で糖を作る働きを増やす

2.インスリンを効きにくくする

 この2つの作用があるため、血糖が高くなりやすいのです。

ひめたろ
ひめたろ

血糖が高いといろんな症状が出るので、

それが出現していないか観察していく必要があるよ!

高血糖に対する観察ポイントと看護

 高血糖の観察ポイントは以下のとおりです。

血糖値の変動

・口渇の有無

・多飲

・多尿

・倦怠感の有無

・脱水徴候の有無

 また、高血糖に対する看護について

 血糖値が高い場合は、

 医師の指示に従い

 スライディングスケールによるインスリン投与が行われることがあります。

ひめたろ
ひめたろ

高血糖に対してインスリン投与はあるけど、

逆にそれによる低血糖症状がないかも注意しようね!


② 不整脈・血圧変動

 大量のステロイド投与では、

 まれに以下のような心電図波形になることがあります。

・徐脈

・頻脈

・心室性不整脈

また、血圧が上昇することもあります。

不整脈・血圧変動に対する観察ポイントと看護

 不整脈・血圧変動に対する観察ポイントでは以下のものがあります。

・心拍数の変化

心電図モニターの装着

 →必要に応じて心電図モニターで経過を観察。

  医師の指示が必要。

血圧変動の有無

動悸の出現

・胸部症状

 これらに対して不整脈や著明な徐脈がみられた場合は、

 速やかに医師へ報告し、

 必要時12誘導心電図を装着したり、

 ステロイドパルスを止めたりする処置が必要になる可能性があります。

 


③ 感染症

 ステロイドは免疫を抑えるため、

 感染症にかかりやすくなります

感染症に対する観察ポイントと看護

 感染症に対する観察ポイントは以下の通りです。

・発熱

・咳

・痰

・尿混濁、排尿時痛(尿路感染症状)

・創部の発赤

 これらの感染徴候を早期に発見できたら医師に速やかに報告しましょう。

 患者さんに対しては手指衛生など感染対策も徹底しましょう。


④ 消化器症状

 ステロイドは胃粘膜を傷つけ、

 胃潰瘍や胃炎の原因になることがあります。

消化器症状に対する観察ポイントと看護

 消化器症状に対する観察ポイントは以下のとおりです。

・胃痛

・腹痛

・吐き気

・黒色便

 このような症状があれば、

 適宜、胃薬(PPIやH2ブロッカー)が併用されることもあります。


⑤ 精神症状

 ステロイド大量投与を行うと以下のような精神症状が起こる可能性があります。

・不眠

・イライラ

・気分の高揚

・不安

・幻覚や妄想(ステロイド精神病)

精神症状に対する観察ポイントと看護

 精神症状に対する観察ポイントは以下のとおりです。

・睡眠状況

・表情

・言動の変化

・興奮状態

 精神症状が軽度の場合は、

 患者さんの不安や訴えを傾聴し、

 安心して療養できる環境を整えましょう。

 一方で、幻覚・妄想・著しい興奮などがみられた場合は、

 ステロイド精神病の可能性もあるため、速やかに医師へ報告します。

ひめたろ
ひめたろ

精神症状に至っては患者さんがもともと持っている原疾患の可能性もあるから、そこの鑑別が重要だよ!


⑥ 電解質異常

 ステロイドの作用により、

 低カリウム血症を起こすことがあります。

電解質異常に対する観察ポイントと看護

 電解質異常に対する観察ポイントは以下の通りです。

・採血データの推移

・筋力低下の有無

・不整脈の有無

 低カリウム血症が進行した場合や、不整脈を認めた場合には、

 医師へ速やかに報告しましょう。

新人ちゃん
新人ちゃん

副作用が多すぎる!!

覚えられないよ…

ひめたろ
ひめたろ

副作用はたくさんあるけど、

新人さんはまず

①高血糖

②不整脈

③精神症状

④感染症

の4つってことを覚えておくと良いよ!

消化器症状や電解質異常も大事だけど

これら4つはよく起こりやすいからね!


 今回は、ステロイドパルス療法の副作用と観察ポイントについて解説しました。

 ステロイドパルス療法では、

 高血糖、不整脈・血圧変動や感染症などの副作用が起こる可能性があります。

 特に看護師は、

 「血糖」「循環」「感染」「精神状態」

 の4つを意識して観察することで、

 副作用を早期に発見し、重症化を防ぐことにつながります。

 副作用を正しく理解し、

 安全にステロイドパルス療法を実施できるようにしていきましょう!

 それではまた次回!

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