MMSE・FABとは?違いや点数の見方、看護のポイントを脳神経看護師が解説!

看護技術

 こんにちは!

 ひめたろ🐶です。

 今回はMMSE・FABについて解説していきます!

 脳神経病棟では、脳卒中や脳腫瘍、脳外科手術前後の患者さんに対して

 MMSEやFABを実施することがあります。

 しかし、こんな疑問を持ったことはありませんか?

新人ちゃん
新人ちゃん

・MMSEって30点満点なのは知ってるけど、

 何を評価しているの?

・FABってMMSEと何が違うの?

・点数が低かったら、

 どんな看護をすればいいんだろう?

 

ひめたろ
ひめたろ

私も新人の時、MMSEまたはFABの点数によって

どういう看護をしていく必要があるか、わからなかったよ・・・

 これらの疑問に答えるため、

 今回はMMSE・FABの違いや点数の見方、看護のポイントについて

 分かりやすく解説していきます!

 MMSE(Mini-Mental State Examination)は、

 認知機能や認知機能低下の可能性を簡単に評価するスクリーニング検査です。

 満点が30点で以下のようなことを評価します。

・見当識(時間や場所が分かるか)

・記銘(言葉を覚えられるか)

・注意・計算

・遅延再生(少し時間が経ってから思い出せるか)

・言語機能

・構成能力(図形を正しく描けるか)

 認知症だけでなく、

 脳卒中や脳腫瘍、脳外科手術前後でも広く使用される検査です。

ひめたろ
ひめたろ

看護師だけじゃなくて、リハビリの先生もよく使う検査だね

 例えば脳腫瘍摘出術では、

 術前にMMSEが28点だった患者さんが、

 術後22点になっていたとします。

 すると、

看護師
看護師

手術の影響によって認知機能が低下していないかな?

 と考えることができます。

 逆に術前から20点だった患者さんなら、

 術後も20点であれば大きな変化はなかったと判断しやすくなります。

 つまりMMSEは、

 術前後で認知機能に変化がないか比較するためにも

 重要な検査なのです。

 それではここで、

 MMSEの点数別で患者さんの認知機能面での状態看護のポイント

 表で解説していきます!

 ※点数は年齢や教育歴、失語症、意識状態などの影響を受けるため、

  あくまで目安です。

MMSEの点数認知機能状態の目安看護のポイント
27〜30点認知機能は概ね
保たれている
通常の説明で理解できることが多いが、
理解度は確認する
24〜26点軽度の認知機能低下
が疑われる
ゆっくり説明し、
一度に多くの情報を
伝えない
20〜23点軽度~中等度の
認知機能低下
メモや家族への説明を活用し、繰り返し説明する
10〜19点中等度認知機能低下転倒・離棟・内服忘れなどに注意し、
安全な環境を整える
0〜9点高度認知機能低下見守りや家族支援、
多職種との連携が重要

新人ちゃん
新人ちゃん

わかりました!

じゃあMMSEで点数さえわかれば関わり方も決まるんだね!

ひめたろ
ひめたろ

それも大切だけどどこで失点したかをみるのも大事なんだよ!

 以下にどこで失点したかによって

 患者さんの認知機能面での考えられることを表で提示します。

どこで失点した?患者さんの状態考えられること
見当識日付や場所がわからない状態せん妄や認知症などが疑われる
遅延再生覚えた言葉を思い出せない記憶障害が疑われる
注意・計算計算ができない
集中できない
集中力や注意力が低下している
図形の模写図形が正しく認識できない視空間認知や構成能力の低下

 

ひめたろ
ひめたろ

ただし、年齢や教育歴、失語症などの影響でも点数は変化するよ!

失点した項目だけで判断するのではなく、

患者さん全体の状態と合わせて評価することが大切!

 このように、

 合計点だけでなく、どの機能が低下しているのかを把握することで、

 患者さんに必要な看護が見えてきます。

新人ちゃん
新人ちゃん

MMSEが認知機能のスクリーニングだったら、

FABはどういう評価スクリーニングなんだろう?

 次章からFABについて解説していきます。

 FAB(Frontal Assessment Battery)は、

 前頭葉機能(遂行機能)を評価する検査です。

 18点満点で評価します。

新人ちゃん
新人ちゃん

前頭葉・・・国試対策で勉強したけど・・・

どういう機能をするものだっけ?

 

そもそも前頭葉って何?

 前頭葉は、

 “考えて行動する司令塔”

 のような役割をしています。

 計画を立てたり、判断したり、注意を切り替えたり、衝動を抑えたりする働きを担っています。

 例えば朝起きて出勤するまでには、

 顔を洗ったり、朝ごはんを食べたり、着替えたりというように

 順番を考えて状況を判断し、計画を立てながら行動しています。

 このような「考えて行動する力」前頭葉機能と呼びます。

もし前頭葉機能が低下すると?

 前頭葉機能が低下すると、

 記憶力は保たれていても、 

 順番立てて行動できなかったり、複数の指示で混乱したりします。

 つまり、

 「覚えている」のに「うまく行動できない」

 という状態になることがあるのです。

 以上のことから

 MMSEでは「覚えているか」を見る検査である一方、

 FABは「考えて行動できるか」を見る検査であることがわかりました。

 例えば、

 MMSEが29点でも、FABが8点という患者さんもいます。

 つまり、認知機能は保たれていても

 前頭葉機能だけが低下している可能性があります

ひめたろ
ひめたろ

だから脳卒中や前頭葉の病変ではMMSEだけでなく

FABも実施されるんだ!

 一応わかりやすくMMSEとFABの違いについて

 以下の表にまとめますので

 参考に見ていってください!

項目MMSEFAB
評価するもの認知機能全体前頭葉機能(遂行機能)
満点30点18点
主な評価内容見当識・記憶・注意・言語など計画性・判断力・柔軟性・抑制力など
看護で見るポイント認知機能低下への対応手順の説明や安全管理の工夫

 ここでFABの点数別、

 患者さんの前頭葉機能の状態および看護のポイントを見ていきましょう!

 ※FABの評価は施設や年齢、教育歴などによって解釈が異なるため、

  あくまで参考としてご覧ください。

FABの点数患者さんの状態看護のポイント
16~18点前頭葉機能は概ね保たれている通常の対応でよい
13~15点前頭葉機能の軽度低下ゆっくり、
一つずつ説明する
10~12点前頭葉機能障害がみられることがある手順を具体的に伝える
9点以下前頭葉機能障害が強く疑われる転倒・自己抜去・危険行動に注意し、
環境調整を行う
新人ちゃん
新人ちゃん

ちなみにFAB10〜12点の看護のポイントにある「具体的に伝える」ってどういうこと?

FABが低い患者さんへの看護「具体的に伝える」とは?

 FAB12点以下の患者さんでは

 例えば、「歯磨きをしてください。」と言っても、

 何から始めればいいか分からないことが多いです。

 そのような場合は、

 「歯ブラシを持ちましょう」、

 「上の歯から磨いていきましょう」などといった

 一つずつ具体的に説明することが重要です。

ひめたろ
ひめたろ

複数の指示を同時に出さないこと、

ジェスチャーとかで必要に応じて実際にやって見せることも

患者さんにとってはわかりやすいよね!

 今回はMMSEとFABについて解説しました。

 MMSEは認知機能面を評価する指標、

 FABは前頭葉機能を評価する指標でしたね。

 点数だけを見るのではなく、

 どの項目で失点したのかを確認することで、

 患者さんに必要な看護が見えてきます。

 ぜひ日々のアセスメントに役立ててみてください!

 それではまた次回!

 

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