こんにちは!
ひめたろ🐶です。
今回は脳炎について解説します!
脳神経病棟では、感染や自己免疫が原因となる脳炎の患者さんを受け持つことがあります。
しかし、こんな疑問を持ったことはありませんか?

・昨日まで普通だった患者さんが突然暴れ始めた…
・急に怒りっぽくなったり、
意味不明なことを話すようになった…
・認知症とは違うの?
実は脳炎では、
脳そのものに炎症が起こることで、
性格や行動が「別人になった」と感じるほど変化することがあります。
私も病棟で、
もともと穏やかだった患者さんが突然大声を出したり、
興奮して暴れたりする姿を見て、

ひめたろ
脳の炎症だけでここまで人は変わるのか…
と驚いた経験があります。
一方で、自己免疫性脳炎ではステロイド治療などによって炎症が改善すると、
まるで別人だった患者さんが
以前の穏やかな様子へ戻っていくこともあります。
この記事では、
脳炎の病態説明から治療と看護のポイントまでについて分かりやすく解説します!
目次
脳炎とは?
脳炎とは、
脳実質(脳そのもの)に炎症が起こる病気です。
脳は、
・話す
・動く
・考える
・感情をコントロールする
・記憶する
など、人間らしさを作る大切な臓器です。
そのため脳に炎症が起こると、
単なる発熱だけではなく、
意識障害や人格変化、けいれんなど様々な症状が出現します。
脳炎の原因と治療
脳炎は大きく2種類に分けられます。
①感染性脳炎
ウイルスや細菌が原因になります。
代表的なのは以下のウイルスが主です。
・単純ヘルペスウイルス
・水痘・帯状疱疹ウイルス
・日本脳炎ウイルス など
中でも単純ヘルペス脳炎は頻度が高く、
早期にアシクロビル(抗ウイルス薬)を開始することが重要です。
②自己免疫性脳炎
免疫が自分自身の脳を攻撃してしまう病気です。
以下の脳炎では感染がなくても発症する代表例です。
・抗NMDA受容体脳炎
・LGI1抗体脳炎
・CASPR2抗体脳炎
・傍腫瘍性脳炎
主な治療は
・ステロイド
・免疫グロブリン療法(IVIg)
・血漿交換
などが中心になります。

うわあ…
脳炎にもいろんな名前があって種類があって…
わけがわからない…

とりあえず、脳炎にも2つ大きく種類があること、
治療は抗ウイルス薬かステロイドって
覚えておけば大丈夫だよ!
そして治療により炎症が改善すると、
精神症状や人格変化が徐々に改善する患者さんもいます。
一方で、重症例では高次脳機能障害や記憶障害などの後遺症が残ることもあります。

治療による経過は
適宜意識状態や日頃の患者さんの様子を観察して
みていこうね!
脳炎では、なぜ人格が変わるの?
ここが脳炎の大きな特徴の1つですね。
脳にはそれぞれ役割があります。
前頭葉に炎症が起こると、どうなる?
前頭葉は「理性」「判断」「感情のコントロール」を担っています。
前頭葉に炎症が起こると以下のような症状が出てきます。
・怒りっぽい
・暴言
・暴力
・抑制が効かない
・感情のコントロールができない
家族から
「別人になった」と感じられることがあります。

実話ですけど、
他の患者さんの部屋で放尿したり、
訪室した医師に「クソジジイ!!」と叫んだりと
人格が変わったみたいなそんなことがあったよ
もちろん患者さん本人の性格ではなく、
脳の炎症による症状だよ!
側頭葉に炎症が起こるとどうなる?
側頭葉に炎症が起こると以下のような症状が出てきます。
・幻覚
・幻聴
・記憶障害
・意味不明な発言
・けいれん
などが起こります。
ヘルペス脳炎では側頭葉が障害されることが多く、
精神症状が強く出現することがあります。

以前脳炎の患者さんでけいれんが起きたよ!
その時はすぐ止まって意識も戻ったんだけどね
けいれんが起きたときの対処については
過去の投稿にありますので
参考にしていただけたらと思います。
けいれん⇒ https://x.gd/yA0Kx
脳炎の人格変化以外の症状は何がある?
症状は人によって異なりますが、
代表的なのは以下があります。
・発熱
・頭痛
・意識障害
・けいれん
・異常行動
・幻覚
・記憶障害
・会話が成立しない
・手足の麻痺
症状は数日で急速に悪化することもあるため、
早期発見が重要です。

私の経験上、
手足の麻痺が出てきた脳炎の人はあんまりいないかも…
それより運動麻痺ないけど、
認知機能の低下や人格変化で離棟・離院リスクが大きいなってイメージだよ
脳炎でよく行われる検査
脳炎の診断のために、
よく行われる検査が主に3つあります。
①MRI
炎症が起きている部位を確認します。
ヘルペス脳炎では側頭葉に異常信号が見られることが多いです。
②髄液検査
脳炎の診断に欠かせない検査です。
検査結果で確認するものは以下の通りです。
・細胞数
・タンパク
・糖
・ウイルスPCR
・自己抗体
髄液中の細胞数やタンパクの増加、
ウイルスPCRや自己抗体の結果などを総合して診断します。

以前の記事で紹介した髄液検査の知識も役立つよ!
髄液検査結果の見方⇒ https://x.gd/grBTM
脳波
けいれんや脳の異常な電気活動を確認します。
けいれんが目立たなくても、
非けいれん性てんかん重積が隠れていることもあります。
脳炎患者に対して看護師が観察するポイント
ではそんな脳炎の患者さんに対して
看護師は何を特に観察していくのでしょうか?
以下に述べていきます。
①意識レベル
JCSやGCSで経過を観察します。
わずかな変化も重要です。

Ⅰ−2〜3くらいが一番怪しいよ!
麻痺なく歩き出せると
何をしでかすのかわからないからね
②精神状態の変化
先ほども話した通り、
精神状態の変化は大きいです。
・急に怒りっぽくなった
・幻覚がある
・落ち着きがない
・会話が成り立たない
これらのような精神状態が出現した場合は
病状悪化のサインかもしれません。
③けいれんの有無
けいれんは先程も話しましたが、
重要な症状のうちの1つですね。
もしも痙攣が起こったら、
・手足のピクつきの有無
・眼球偏倚の有無
・呼吸状態の変化
・発作時間測定
・意識状態の変化
を観察していきます。
④安全管理
脳炎の人格変化により興奮すると
・転倒転落
・点滴自己抜去
・暴力行為
などの危険が起こる可能性があります。
その人に合った環境調整や家族との協力も重要です。

もしもそれでも手に負えない状態であれば、
家族・主治医と相談し、
不穏時の薬物投与や身体抑制も
考慮していくよ!
⑤ステロイドの副作用
自己免疫性脳炎では長期間ステロイドを使用することがあります。
ただステロイドにも副作用があるので、
長期間のステロイドの使用中は以下のような項目を観察する必要があります。
・血糖値の変化
・感染徴候
・血圧
・消化器症状
・精神症状

以前に投稿したステロイドパルスについての記事で
ステロイドを使用したときの副作用や観察項目が
より具体的に解説してます!
もしよかったらご覧ください!
ステロイドパルス療法⇒ https://x.gd/AavSf
まとめ
今回は脳炎について解説しました!
脳炎は、脳そのものに炎症が起こる病気です。
そのため、発熱や意識障害、けいれんだけでなく、
人格が変わったように見えるほど
精神症状が強く現れることがあります。
看護師は、
「この人は性格が変わった」と考えるのではなく、
「脳の炎症によって精神症状が出現している可能性がある」
という視点で観察することが重要です。
適切な治療によって改善する患者さんも多く、
日々の細かな観察が早期発見や治療効果の評価につながります。
それではまた次回!


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