こんにちは!
ひめたろ🐶です。
今回は心電図シリーズ第4弾、
心室期外収縮(PVC)について解説します。
これも心電図を触ったことがある人なら聞いたことがあると思います。
ただこんな疑問を持っている人はいませんか?

・心室期外収縮って心臓はどんな動きをしているの?
・危ない状態なの?
・どんな波形をしているんだっけ?
・実際その波形が出てきたらどうしたらいい?
波形がどんなものかわかっていても、
心臓がどんな動きをしていて、
対応としてはどうすればいいのかわかっていないと、
不安ですよね。
ここではそんな心室期外収縮(PVC)をわかりやすく丁寧に解説します。
それでは早速見ていきましょう!
目次
心室期外収縮(PVC)はどんな心臓の動き?
まずは心室期外収縮(PVC)とはどんな状態なのか見ていきます。
※以下より心室期外収縮(PVC)を「PVC」と示します。
心室期外収縮(PVC)とは?
⋯予期される心室の興奮よりも
早期に心室から異所性興奮が発生する状態のこと。
(病気がみえる循環器vol.2より)
⇒本来電気的興奮は洞結節からでるが、
PVCではそこからじゃない電気的興奮が生じて発生する!

え!
普通なら洞結節から電気的興奮が出るのに、
PVCはそうじゃないんだ!
不思議だね。
図にすると下のような心臓の状態です。

PVCのポイントは、
洞結節からの刺激よりも「先に」心室内から刺激が発生することです!
それにより心室の興奮のズレが生じてQRSが延長するのです。

PVCってどんな波形をしているの?
ではPVCの波形について次章で解説しましょう!
PVCはP波がなく、幅広いQRS波
PVCの波形とは?
⋯先行するP波を欠く、
正常と異なる幅広いQRS波を認める
⇒P波がなくて、幅広いQRS波


おお⋯
これは正常の波形とは全く違う、
かなりわかりやすい波形だね!
実際この単発のPVC波形のみであれば、
健康な人でも起こり得ます。

ただし⋯!
上の図のような単発PVCは一般的によく見る波形だけど、
PVCにもいろいろあるんだよ!
次章からPVCの種類について簡単に解説していきます。
PVCには様々な種類がある!
PVCには前章で解説した波形以外に
主に7つほど種類がありますが、
すべて解説していくと読者も萎えてしまうと思うため、
私の経験上よく出現する波形と出現したら注意の波形を紹介します。
2段脈と多源性
2段脈とは?
⋯ 正常心拍と心室期外収縮が1拍ごとに交互に出現。
多源性とは?
⋯QRS波の形は異なり、
心室の異なる場所からの刺激による期外収縮。


2段脈、多源性のように
PVCの頻度が多くなっていくと、
動悸などの症状を起こすことがあるんだ!
3連発以上 〜非持続性の心室頻拍〜
3連発以上とは?
⋯心室期外収縮が3個以上連続して出現する波形。


あれ?
なんか、このPVC連なってるのみると⋯
心室頻拍に見えるね⋯?
そうですね。
3連発以上のPVCというと、
見た目上、心室頻拍に見えますよね。
このように3連発以上PVCが持続して自然消滅したものを
非持続性の心室頻拍とも呼びます。

PVCが連発すると無症状のこともあるけど、
動悸やめまい・ふらつきを起こすこともあるから注意!
R on T
R on Tとは?
⋯前心拍のT波の上に、心室期外収縮が重なっている波形。
⇒心室細動に移行する可能性あり!


この波形でたら注意だよ!
心室細動に移行する可能性があるから!
ちなみに古典的なPVCの重症度分類に「Lown」があるのですが、
R on TはPVCの中で一番重症度が高いgrade5です。
心室細動とは?
⋯心室筋が全く無秩序に興奮し、
心拍出量が0(心停止)になった状態。


心室細動になることがあるの!?
めっちゃ重要じゃん!
【ひめたろ流】いろんなPVCを見つけたときのそれぞれの対応
それではここでいろんなPVCを見てきたので、
それぞれの波形を見つけたときの対応方法について解説します。
この記事の中で一番重要です。
単発PVC
単発PVCはモニター上よく見る波形でしたね。
この単発PVCは健常な人でも起こりうる波形なので、
特に症状がなければ様子見で大丈夫です。

実際運動してたり、
妊娠してたりしても起こる波形だよ!

症状って具体的にどんなもの?
【PVCが出現したときに見たい!患者さんの症状】
・動悸
・胸痛や胸部不快感
・息苦しさ
・めまいやふらつき
・意識障害
2段脈、多源性
PVCの頻度が増えたり、
二段脈や多源性PVCなどがみられたりした場合は、
基礎心疾患がないか確認することが大切です。
例えば、心筋梗塞や心不全、
心筋症などの心疾患が背景にあることがあります。
ただし、こうしたPVCがみられたからといって、
必ず基礎心疾患があるわけではありません。
症状の有無や心機能、PVCの出現頻度などを合わせて判断します。

基礎心疾患がない場合でも、
症状の有無やPVCの頻度などを
確認しながら経過をみるよ!
3連発以上
PVC波形が3連発以上連なっている状態でしたね。
この場合でも循環器系の基礎疾患の有無を確認し、
その他の症状の有無も確認しましょう。

うちの病院では、
3連発以上のPVCが出現した場合は、
症状の有無確認した後に
必ず主治医へ報告するよ!
R on T
R on Tは心室細動に移行する可能性がある、
PVCの中でも一番重症度が高い波形ですね。
そのため、循環器系の基礎疾患の有無確認後、
バイタルサインやその他症状の有無を確認し、
主治医へ必ず速やかに報告します。

心室細動からの心停止へ移行する可能性を考えて、
一番注意していこう
まとめ
今回は心室期外収縮(PVC)について解説しました。
PVCは洞結節からの電気的興奮より早くに、
心室から電気的興奮が起こることで出現する波形です。
主にP波が欠如しており、
QRS波が幅広い波形です。
PVCには様々な種類があり、
単発PVCだけでなく、
多源性や二段脈がありました。
PVC自体は健常者にもみられるため、
PVCが出た=危険というわけではありません。
一方で、基礎心疾患や心機能低下を伴っている場合や、
PVCが連発している場合、
症状や循環動態に変化がある場合には注意が必要です。
そのため、PVCを見つけたときは、
「どんなPVCなのか」だけでなく、
「患者さんに症状があるか」
「循環動態は安定しているか」
「基礎心疾患などの背景があるか」
を合わせて観察することが大切です。
心電図検定でも必須の波形ですので、
しっかり押さえていきましょう!
それではまた次回!
参考文献
・岡庭豊:病気がみえるvol.2循環器,メディックメディア,平成29年.


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