【一般人向け】「お酒は少量なら体にいい」は本当?脳神経病棟看護師が考える飲酒と脳の関係

一般人向け

 こんにちは!

 ひめたろ🐶です。

 今回は、「お酒は少量なら体にいいって本当?」というテーマについて解説します!

 みなさんは、こんな話を聞いたことはありませんか?

一般人
一般人

・お酒は体に悪いらしいよ

・でも、少量のお酒なら健康にいいって聞いたことがある

・酒は百薬の長っていうじゃん

・赤ワインなら体にいいんじゃない?

 お酒を飲む人なら、

 一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?

 では、実際のところ、

 お酒は少量なら健康にいいのでしょうか?

 そして、

 お酒を飲むと、脳では何が起こっているのでしょうか?

 今回は、身近だけど意外と知らない「お酒と脳」の関係について、

 わかりやすく解説していきます。

ひめたろ
ひめたろ

今回の記事は、お酒と脳の関係を研究した、

研究論文を引用しながら解説するよ!

できるだけわかりやすく噛み砕いたから

身構えずに楽しんでね!


 昔から、「酒は百薬の長」という言葉があります。

 「適量のお酒なら健康にいい」という意味で

 使われることがありますよね。

 実際、以前の研究では、

「お酒をまったく飲まない人より、

 少量のお酒を飲む人のほうが健康状態が良い」

 という結果が報告されていました。¹⁻²

 そのため、

一般人
一般人

少量のお酒なら健康にいい

 というイメージが広まったと考えられます。

 しかし、現在では、

「健康のためにお酒を飲んだほうがいい」

 とは考えられていません。

一般人
一般人

なんでよ!

前に行った研究で少量の酒は健康に良いんじゃないの?!

 この理由の一つが、

 「お酒を飲まない人」の中身です。

 例えば、

禁酒した人
禁酒した人

もともとはお酒を飲んでいたけれど、

病気になったから飲むのをやめた

 という人がいたとします。

 この人を単純に「お酒を飲まない人」として集計してしまうと、

 「お酒を飲まない人は健康状態が悪い」

 ように見えてしまう可能性があります。

 実際に、そのような研究上の問題を考慮すると、

「少量のお酒を飲む人のほうが健康に良い」という結果は、

 必ずしもそうじゃない

 ことが報告されています。³

 つまり…

 「少量のお酒を飲んでいるから健康だった」

 とは簡単には言えないのです。

 世界保健機関(WHO)も、

アルコールについて

健康への影響がまったくない「安全な量」は確認されていない

 としています。⁴

 また、2022年に発表された研究では、

 約3万6000人を対象に、

 飲酒量と脳MRIで確認した脳の構造との関係が調べられました。

ひめたろ
ひめたろ

結構大規模な研究だね…!

 その結果、

飲酒量が多いほど、脳の容積などと悪い関連がみられる

 ことが報告されています。⁶

 さらに、比較的少ない飲酒量でも脳構造との関連が確認されています

 ただし、この研究だけで、

脳

お酒を飲んだから脳が小さくなった

 と断定することはできません。

 あくまで、

 「飲酒量と脳の構造には関連があった」

 という研究です。

一般人
一般人

じゃあ、

お酒を飲めば飲むほど脳に悪影響ってことは

少量のお酒でも飲まない方が良いってことかな?

そもそもお酒によって脳はどうなるの?

ひめたろ
ひめたろ

次章でお酒を飲むことでの脳の影響を見ていこう!


 では、お酒を飲むと脳では何が起こっているのでしょうか?

 お酒を飲むと、

飲酒者
飲酒者

・なんだか気分がよくなる

・緊張がとれる

・眠くなってきた

・ちょっとふわふわする

 と感じることがありますよね。

ひめたろ
ひめたろ

ちなみに私は眠くなるタイプです。

人によって記憶なくなるとかいうけど、

そういうのはないかな!

 この作用は、アルコールが脳に直接作用するためです。

 アルコールが体内に吸収されると血液によって全身に運ばれ

 その一部は脳にも到達します

 そして脳の神経活動に影響を与えることで、

・気分が変化する
・判断力が低下する
・反応が遅くなる
・ふらついたり、まっすぐ歩きにくくなったりする
・眠気が出る

 などの変化が起こります。

 つまり、

 「お酒を飲んで酔う」というのは、脳の働きが変化している状態

 なのです。

一般人
一般人

お酒を飲むと高揚したりふらついたりするのは

お酒が脳に影響しているせいなんだね

一般人
一般人

飲めば飲むほど脳に悪い影響が出てくるって

さっき言ってたけど、

どのくらいが「飲みすぎ」になるんだろう?

 ここで知っておきたいのが、

 「純アルコール量」です。

 お酒は、ビール500mLやチューハイ1本など、

 飲んだ量だけではアルコール量を比較できません。

 そこで使われるのが「純アルコール量」です。

 厚生労働省では、

純アルコール量(g)=飲酒量(mL)×アルコール度数×0.8

 という計算方法が示されています。⁷

 例えば、

ビール500mL・アルコール度数5%の場合、

500×0.05×0.8=20g

 となります。

 つまり、ビール500mLには約20gの純アルコールが含まれています。

 「ビール1本だから大丈夫」ではなく、

 「どのくらいのアルコールを飲んだのか」を考えることが大切です。

 また、アルコールによる健康への影響には個人差があります。

 年齢、性別、体質、健康状態、飲酒頻度などによっても変わるため、

 「この量なら誰にとっても安全」

 という基準があるわけではありません。⁷

一般人
一般人

は?

そりゃその計算式で摂取したアルコール量は計算できるけど、

じゃあ実際人によって

適切なアルコール量ってわかんないじゃん!

 一応厚生労働省では、

 生活習慣病のリスクを高める量の目安として、

1日あたり純アルコール量が男性40g以上、女性20g以上

Ex.アルコール度数ビールで例えるなら、

  男性は2缶分、女性は1缶分!

 としています。

 ただし、ここは注意が必要です。

 「男性40g、女性20gまでなら安全」という意味ではありません。

 この数字は、あくまで生活習慣病のリスクを高める量の目安であり、

 一人ひとりの「安全な許容量」を示したものではありません。

 年齢や体質、健康状態などによってもアルコールの影響は異なります。

ひめたろ
ひめたろ

「この量までなら大丈夫!」という安全ラインではなく、

「自分がどのくらい飲んでいるのかを知るための目安」

として考えるとわかりやすいね!

 ちなみに、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人はいませんか?

飲酒者
飲酒者

(ワシのことかな…?)

 実は、こうした「お酒に弱い体質」の人は、

 アルコールの分解に関係する酵素の働きが弱いことがあります。

 「顔が赤くなる=単にお酒に弱いだけ」ではないんです。

 この体質とお酒の関係については、

 別の記事で詳しく解説しますのでお楽しみに!


 ここまで読んで、

一般人
一般人

じゃあ、結局お酒は絶対に飲んじゃダメなの?

 と思った方もいるかもしれません。

 今回の記事で伝えたいのは、

 「お酒を飲む人は、今すぐ完全に禁酒しなければならない」

 ということではありません。

 大切なのは、

 「少量なら健康にいいから飲む」

 という考え方を見直すことです。

 WHOは、アルコールによる健康リスクについて、

飲酒量が少ないほどリスクも低くなる

 という考え方を示しています。⁴

 つまり、

・お酒を飲むなら飲みすぎない

・飲酒量を把握する

 ということが大切になります。


一般人
一般人

僕はお酒を飲むとリラックスして、

普段は話しかけられない人でも話しかけられたりするんだけど

これもお酒が脳に影響しているのかな?

 お酒を飲むと、

 「なんだか気持ちが楽になった」

 と感じることがありますよね?

 アルコールには、脳の活動を抑える方向に働く作用があります。

 そのため、

飲酒者
飲酒者

緊張がとれた!

気持ちが楽になった!

 と感じることがあります。

 しかしその一方で、判断力や注意力も低下します。

 例えば、

飲酒後<br>我に返った人
飲酒後
我に返った人

・いつもなら言わないことを言ってしまった

・普段ならしないような判断をしてしまった

・足元がふらついて人にぶつかってしまった…

 ということもありますよね。

 これもアルコールによって脳の働きが変化しているためです。

 つまり、

お酒には

「リラックスできる」というメリットだけでなく、

「脳の働きが低下する」という側面もある

 ということがわかります。

一般人
一般人

確かにお酒によってリラックスはできるけど、

脳の働きが低下するっていうのはデメリットだな…

自分もお酒で何しでかすかわからないぞ…!


一般人
一般人

脳の働きが低下するってデメリットはあるかもだけど、

僕はお酒を飲むとよく眠れるよ!

それはメリットじゃない?

 このように

 「寝る前にお酒を飲むと、よく眠れる」

 という人もいますね。

ひめたろ
ひめたろ

確かにお酒を飲むと眠くなるため、

「寝つきやすくなった」

と感じるよね。

私もそうだよ!

 しかし、

 「寝つきやすい」ことと「質の良い睡眠がとれる」ことは別です。

 2024年に発表された研究では、

アルコールによって睡眠の構造が変化し、

特にREM睡眠が減少するなどの影響が報告されています。⁵

ひめたろ
ひめたろ

ちなみに、

REM(レム)睡眠は「深い眠り」という意味ではないよ!

REM睡眠は、

脳が比較的活発に活動している睡眠状態の一つのこと!

 つまり、

 「お酒を飲むと眠くなる」=「良い睡眠がとれている」

 とは限りません。

 「眠れないから毎晩お酒を飲む」という習慣がある場合には

 注意が必要です。

一般人
一般人

え?

アルコールでよく寝れたって思ってても

実際脳はそんな休められてないってことなの?!


 今回、一番覚えておいてほしいのはここです。

 昔から、「酒は百薬の長」と言われてきました。

 また、

飲酒者
飲酒者

・赤ワインなら健康にいい

・少量なら体にいい

 という話もあります。

 しかし現在の医学的な知見から、

 「健康のためにお酒を飲み始める」必要はありません。

 むしろ、アルコールにはさまざまな健康リスクがあります。

 そして脳に関しても、

 「少量のお酒を飲むことで脳が健康になる」とは言えません。

 お酒を飲む人であれば、

 「少量だから絶対に安全」と考えるのではなく、

お酒には健康へのリスクがあることを知ったうえで、

自分の飲酒量を考える

 ことが大切!

ひめたろ
ひめたろ

「健康のために飲む」のではなく、

お酒のことを知ったうえで、

自分の飲み方を考えてみよう!


 今回は、「お酒は少量なら体にいい?」という疑問について解説しました。

 ポイントは以下の通り!

・以前は「少量のお酒を飲む人のほうが健康」という研究結果は確かにあった
・しかし現在は「健康のためにお酒を飲む」ことは推奨されていない
・アルコールは脳に作用し、判断力や運動機能などに影響する
・「お酒を飲むと眠くなる」ことと「質の良い睡眠がとれる」ことは別
・飲酒量と脳の構造との関連も報告されている
・お酒の量を見るときは「純アルコール量」を意識することが大切
飲酒量が少ないほど、アルコールによる健康リスクも低くなる

 「少量なら体にいい」という言葉だけを聞くと、

 「じゃあ、毎日少し飲んだほうが健康なんだ!」

 と思ってしまうかもしれません。

 しかし、現在の医学的な知見では、

 「健康のためにお酒を飲み始める必要はない」

 ということが重要なポイントです。

 お酒を楽しむこと自体を否定する必要はありません。

 ただ、

 「少量なら健康にいいから飲んでいる」

 という考え方ではなく、

 「お酒には健康へのリスクがあることを知ったうえで、

 自分の飲酒量を考える」

 ことが大切なのではないでしょうか。

 それではまた次回!


  1. Corrao G, et al. Addiction. 2000.
  2. Di Castelnuovo A, et al. Arch Intern Med. 2006.
  3. Stockwell T, et al. J Stud Alcohol Drugs. 2016.
  4. World Health Organization. Alcohol.
  5. Gardiner C, et al. Sleep Med Rev. 2025.
  6. Daviet R, et al. Nat Commun. 2022.
  7. 厚生労働省.健康に配慮した飲酒に関するガイドライン.2024.

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