こんにちは!
ひめたろ🐶です。
今回は、家族指導向けに経鼻経管栄養について解説します!
脳卒中や脳腫瘍、神経難病などで飲み込み(嚥下)が難しくなった患者さんでは、
鼻から胃に管を通して栄養剤を注入する経鼻経管栄養が行われることがあります。
退院後も自宅で経鼻経管栄養を続ける患者さんも少なくありません。
しかし、こんな疑問を持ったことはありませんか?

・経鼻経管栄養ってどうやって行うの?
・家でも本当にできるのかな…
・何に気を付ければいいんだろう?
・苦しそうだったらどうしたらいいの?
退院前には病院で指導を受けますが、
「家で本当にできるかな…」
と不安になる方は少なくありません。

経鼻経管栄養は見慣れないし、怖いよね…
でも手順と注意点を理解すれば、
自宅でも安全に行うことができるんだ!
今回は、経鼻経管栄養の目的や流れ、
家族が気を付けたいポイントについて分かりやすく解説します!
目次
そもそも経鼻経管栄養とは?
経鼻経管栄養とは、
鼻から胃までチューブを入れ、
そのチューブを通して栄養剤や水分、薬を投与する方法です。
食事を口から十分摂れない患者さんでも、
必要な栄養や水分を補給することができます。
経鼻経管栄養が行われる代表的な病気として、
以下の疾患があります。
・脳卒中
・頭蓋内腫瘍
・パーキンソン病
・ALS
・重症筋無力症 など・・・
基本的に食物を飲み込む能力が低い人(嚥下障害がある人)に
必要な栄養を届けるという意味で
経鼻経管栄養が用いられます。

「食べられないから何もできない」ではなく、
体に必要な栄養を届けるための大切な方法なんだよ!
このような経管栄養には、
「胃瘻」と「経鼻経管栄養」がありますが、
今回は鼻から栄養剤を胃へ届ける「経鼻経管栄養」のみを解説します。

やり方が若干違うので、
また別の記事で解説します!
家で準備するもの
在宅では主に以下のものを準備します。
・経腸栄養剤
⇒病院で処方される。
1日または1食の必要な栄養剤分は医師から指示がある。
・経腸栄養用シリンジ(いわゆる注射器)
⇒薬を少量の白湯で溶かして投与するのに使う。
病院や介護福祉用品を取り扱っている事業所で購入可能。
・シリンジ入れる様のコップ(コップはなんでもいいです)
・白湯(水)
⇒これも必要な量は医師から指示がある。
・栄養バッグ(持続投与の場合)
⇒栄養剤を点滴のように投与する用のもの。
病院や介護福祉用品を取り扱っている事業所で購入可能。
・固定用テープ
⇒シャワーのときなど、テープが濡れたり汚れたりしたときに貼り替える。

ものが多すぎて想像つかないわ・・・

下に必要な物品の図を提示しておくね!

病院では使い捨ての物品を使うことが多いですが、
在宅では使い捨てだとコストがかかるため、
できるだけ洗浄・乾燥させながら繰り返し使用する物品を使用することが多いです。

これだけ栄養に必要な物品がいっぱいあるのね…
それぞれどういうときに使うの?

次の章で栄養投与の手順と合わせて解説していくね!
実際に経鼻経管栄養を投与する方法
経鼻経管栄養の投与方法について、
手順を解説します。
① 手洗いを行う
まずは石けんで十分に手洗いを行います。
感染予防の基本になります。
② 対象者の上半身を30~45°起こす
ベッドの背もたれを上げ、
上半身を30~45°程度起こします。
上半身を起こしておくと、
仮に嘔吐したときに嘔吐物が気管に入りにくくなります。
寝たまま栄養を流さないようにしましょう。

30〜40度って実際測ってみると、
結構上体上がってるんだよね。
イメージとしては
背もたれでリラックスして座ってるくらいの角度かな。
③ チューブを抜けがないか確認する
固定テープが外れていないか、
チューブが抜けていないか確認します。
普段よりチューブが長く見える場合は、
抜けている可能性があります。

病棟ではそもそも何cmの管が胃まで入っているのか
確認し、栄養前に毎回測っているよ!
病棟のような「何cm」と確実な長さを測らなくても、
チューブと鼻のテープに目印を書いておいて
その目印がズレてないかというのを見るだけでも
簡単にチューブが抜けていないか見ることができます。
④ 白湯を流す(薬があれば白湯の前にシリンジで流す)
まず白湯から投与します。
対象者の水分補給と、
後に流す栄養剤が流れやすくするためです。
栄養バッグのクレンメ(留め具)がちゃんと閉じているかを確認し、
栄養バッグに白湯を流します。
対象者の鼻のチューブと栄養バッグの先にある接続部をつなげます。


クレンメ(留め具)って何!?

点滴で見たことある人いるんじゃないかな?
1時間につきの投与量を変えられるものだよ。
丸いローラーを上に上げるとバーっと栄養剤が流れて
ローラーを下に下げると流量が減るよ

白湯を栄養バッグに入れて、
対象者の鼻のチューブと栄養バッグをつなげたら、
クレンメ(留め具)を一番上に上げて流量を増やします。
クレンメは基本的に上にローラーをあげると流量が増え、
ローラーを下にさげると流量が減るものが多いですが、
メーカーによってはそれが逆のことがあります。
使用するものによって使い方を確認してください。
⑤ 栄養剤をゆっくり注入する
栄養剤は医師から指示された量を、
ゆっくり注入します。
一気に栄養剤を流すと、
以下のような症状を起こすことがあります。
・腹痛
・下痢
・吐き気

といっても、医師の指示する流量って
どうやってクレンメで調整するの?

一応大まかな目安では
・50ml/h…4秒に1滴
・100ml/h…2秒に1滴
・200ml/h…1秒に1滴
で落とすとちょうどいいよ。
この他の数値で指示する流量があれば、
都度医師や看護師に聞くと目安がわかるよ!
⑥ 最後に白湯を流す
最後にもシリンジ(注射器)で20mlほど白湯を流します。
チューブ内に栄養剤が残ると、
詰まりの原因になります。

栄養チューブの中に薬や栄養剤が残ると詰まるし、
腐ります…
必ず最後は白湯を流しましょう!
⑦ 投与後もしばらく座った姿勢を保つ
投与後30分程度は、
上半身を起こした状態を保ちます。
逆流や誤嚥を防ぐためです。

ただやっぱり文章で説明を聞くだけでは
わかりにくいところはあると思うから、
退院前から入念に担当看護師と
実際に経鼻経管栄養の練習をしてみよう!
経験するのが一番!
家族が観察するポイント
経鼻経管栄養では、
毎回患者さんの様子を観察しましょう。
特に確認したいポイントは以下の通りです。
・咳き込んでいないか
・苦しそうではないか
・吐き気がないか
・お腹が張っていないか
・発熱していないか
・チューブが抜けていないか

「いつもと違う」
と感じたら無理に栄養を続けず、
病院や訪問看護師へ相談しよう!
よくある質問
Q. お風呂に入ってもいい?
基本的には入浴できます。
ただし、
チューブを引っ掛けないよう注意しましょう。
また、固定テープが濡れたり汚れたりした場合は
貼り替えを行いましょう!
Q. 寝ながら栄養を流してもいい?
できません。
誤嚥性肺炎の原因になるため、
必ず上半身を起こして行います。
Q. シリンジ(注射器)は毎回捨てるの?
在宅では
再使用可能な経腸栄養用シリンジを使用することがあります。
使用後は水やぬるま湯で十分洗浄し、
しっかり乾燥させましょう。
交換時期は製品や医療機関の指導に従ってください。
Q. むせたら?
すぐ止めて、
上体を起こして胃からの逆流物が気管に入らないようにします。
改善しなければ病院または訪問診療所へ相談します。
Q. チューブが抜けたら?
自分で対象者の鼻に戻さずに病院や訪問診療所へ連絡しましょう。
無理に戻そうとすると管が気管に入る可能性があり、
とても危険です。
Q. 栄養剤は温める?
常温でOKです。
Q. 栄養中に咳が増えたら?
栄養の投与を中止して訪問診療所や病院へ相談しましょう。
家族だけで抱え込まないことも大切

経鼻経管栄養…
ちゃんとできるか不安です。
このように不安をもつ患者家族は多いです。
初めは「自分にできるだろうか」と不安になるのは当然です。
ですが、入院中から何度も担当看護師といっしょに練習をしますし、
都度わからないことがあれば聞ける環境です。
もちろん退院後も、
訪問看護師や主治医、ケアマネジャーなどがサポートしてくれます。
困ったことがあれば、
一人で悩まず相談できる医療者に相談しましょう。

退院したら病院との関わりが終わるわけじゃないよ!
困ったらいつでも相談できる環境があるから安心してね!
まとめ
今回は経鼻経管栄養について解説しました。
経鼻経管栄養は、
口から十分に食べられない患者さんに
必要な栄養を届ける大切な方法です。
家族が正しい手順や注意点を理解することで、
安心して在宅療養を続けることができます。
また、無理に一人で頑張る必要はありません。
訪問看護師や医師、多職種と連携しながら、
安全な在宅療養を目指していきましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、
経鼻経管栄養への理解を深めてみてください!
それではまた次回!

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